マタニティトレーニングのすすめ 〜妊娠中の健康をサポートする運動習慣〜

こんにちは！トレーナーの西脇です。

今回のテーマは【マタニティトレーニング】です。

女性トレーナーとして、女性目線で運動についてお届けできると幸いです。

 

マタニティトレーニングと聞くとみなさんはどんなイメージを持たれますでしょうか？

妊娠中は、心も体も大きく変化する特別な時期です。

この時期に「運動」と聞くと、「赤ちゃんに悪影響があるのでは？」「体調が不安定なのに、無理して大丈夫？」と不安に感じる方も少なくありません。しかし最近の研究では、妊娠中に適切な運動を取り入れることで、母体・胎児ともに多くの良い効果があると明らかになってきています。

 

 

運動がもたらす母体へのメリット

まず、妊娠中の母体には以下のようなポジティブな影響が期待できます。

 

・血行が促進され、むくみの予防に

妊娠中は血液の循環が悪くなりやすく、手足のむくみに悩まされる方も多いですが、運動により血流が改善され症状の軽減も期待されます。

 

・胃腸の働きをサポート

　運動は内臓の動きを活発にするため、便秘や胃もたれの予防にも効果的です。

 

・姿勢の改善と腰痛予防

　お腹が大きくなるにつれて姿勢が崩れやすくなりますが、運動によって体幹や骨盤まわりの筋肉が鍛えられ、腰痛の予防・軽減につながります。

 

・出産に向けた準備が整う

　特に骨盤底筋群の強化は出産時の安定性を高め、スムーズな分娩をサポートします。

 

・ストレスや不安の軽減

　運動にはストレスホルモンの分泌を抑える作用があり、精神的なリラックスにも効果があります。緊張や疲労の軽減にもつながります。

 

・肺活量の向上

　適度な有酸素運動は呼吸機能を高め、陣痛時の体力温存や回復の助けになります。

 

・産後の回復を早める可能性も

　筋力や体力を維持することで、出産後の回復期間が短くなるという報告もあります。

 

 

胎児へのメリット

母体の健康状態は、胎児の発育にも密接に関わっています。適切な運動は、胎児にも次のような恩恵をもたらすとされています。

 

・低体重・高体重のリスク軽減

　胎児の体重が極端になるリスクを減らし、健やかな発育を促進します。

 

・心拍の安定

　母体の運動により、胎児の心拍数も安定しやすくなります。

 

・神経系の発達促進

　妊娠中の運動が、胎児の神経発達に良い影響を与えることが研究で示されています。

 

・早産・帝王切開のリスク低下

　適度な運動によって、分娩時のトラブルリスクを軽減できる可能性もあります。

 

 

運動を始める前に確認すべきこと

ただし、すべての妊婦さんが運動を行えるわけではありません。

以下に該当する方は、運動を始める前に必ず主治医に相談しましょう。

 

・妊娠初期（1〜3ヶ月）の方

・貧血や高血圧などの既往歴がある方

・心疾患・糖尿病・呼吸器疾患などの持病をお持ちの方

・BMIが12未満の低体重の方

 

また、体調が優れないときは無理をせず、すぐに中止するようにしましょう。

 

 

おすすめの運動内容

妊娠中に推奨される運動は、特定のものに限られていませんが、「中程度の強度（ややきついと感じる程度）」を目安に継続することが大切です。呼吸が少し上がる程度で、会話ができる範囲を意識しましょう。

 

以下のような運動が特におすすめです。

 

・有酸素運動（ウォーキング、マタニティエアロビクスなど）

・ストレッチ（全身をゆっくりと伸ばす運動）

・水中運動（浮力により関節への負担が軽減され、安全性が高い）

・軽度〜中程度の筋力トレーニング（特に体幹や骨盤底筋群を意識）

 

 

安全に行うためのポイント

・水分補給をこまめに行う

　妊娠中は脱水になりやすいため、のどが渇く前にこまめな水分摂取を心がけましょう。

 

・無理はしないこと

　少しでも不調を感じたら、すぐに運動を中止し、身体の声に耳を傾けてください。

 

・専門の指導を受ける

　可能であれば、マタニティトレーニングに対応したインストラクターや専門のクラスを活用すると、より安心して運動が行えます。

 

・妊娠20週目以降の注意点

妊娠中期以降は、リラキシンというホルモンの影響で関節が緩み、特に腰や骨盤まわりの靭帯に負担がかかりやすくなります。

そのため、以下のような動作は避けましょう。

 

▪️プランクなどの腹部に強く負荷がかかる姿勢

▪️四つ這いの姿勢での運動

▪️片方の足での動作（ワンレッグスクワット、ランジウォークなど）

 

 

最後に

マタニティトレーニングは、妊娠中の健康をサポートし、出産・産後の生活をより快適にしてくれる大切な習慣です。

ただし、自分に合った運動内容や強度を見極め、無理のない範囲で取り組むことが何より大切です。

 

「どんな運動をしたらよいかわからない」「自分の体に合った方法が知りたい」という方は、ぜひ医師や専門インストラクターにご相談ください。妊娠中も、前向きに、健やかに日々を過ごしていきましょう。

 

 

 ★本記事担当★

・トレーナー：西脇少紀（主に神戸・大阪北エリアを中心に担当しております。）

 

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